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アニメーションの制作は、コンピューターが導入された現代でも時間がかかるものだ。日本国内でテレビ放送されるアニメ番組は主に30分枠だが、1本をつくるのに1カ月程かかる。劇場版ともなると、1年以上の時間が必要だ。
こうしたアニメ制作のプロフェッショナル向けにAIモデルを提供するスタートアップが28日、発足した。社名はCheehoo。米カリフォルニア州ロサンゼルスが本社となっている。
Cheehooの共同創業者は、映像制作のプロとシリコンバレーの住人で構成される。まず、名前を挙げてみよう。
- Chris deFaria DreamWorks Animation元社長、プロデューサー
- Hubert Tsai氏
- Wei-Cheng Kuo氏
- Michael LoFaso Rideback共同CEO
- Jonathan Eirich Rideback共同CEO
deFaria氏が属していたDreamWorksは、さほど細かい説明をする必要はないだろう。同氏はWarner Bros.在籍時、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ゼロ・グラビティ』の制作に携わっている。
Tsai氏は過去、AIのサイエンティスト、エンジニアとしてAppleに在籍。Kuo氏も同じく、Appleで上席研究エンジニアを務めた。
LoFaso氏とEirich氏の会社、Ridebackは映画、テレビドラマを制作。特に、Eirich氏がプロデュースした『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が知られる。なお、LoFaso氏はRidebackで事業開発や業務を担当している。
そして、Cheehooは自社のミッションを「クリエイターが次世代のグローバルアニメーション、ゲーム、インタラクティブフランチャイズを構築できるよう支援する」とし、3つの事業を進めていく。「データソリューション」「アーティスティックコントロール」「既存のスタジオなどと自社フレームワークの統合」だ。
データソリューションは、生データを既存の3Dソフトウエアと互換性のある3Dメタデータに変換。アーティスティックコントロールの分野では、「非常に繊細なアニメーションを実現」していくと説明する。
また、Cheehooの設立を報じるメディア・DEADLINEによると、IP(知的財産権、この場合はとりわけ著作権)の保護も行っていくとしている。例えば、データソリューションの面で生データから変換した3Dメタデータの保護などが挙げられそうだ。
設立したばかりということもあり、具体的にどのようなソリューションとなるかは明かされていないが、クリエーターにとってルーチンワークや雑務を少なくし、人の手にしかできないことに注力できる環境づくりなどが考えられる。
Cheehooは早速、資金調達を実施し1000万ドル(14億円)を確保した。この資金調達は、ベンチャーキャピタル(VC)のGreycroftなどが応じ、Ridebackも出資している。