日付:
Marc Schröder
VC
ナレッジ
- リンクを取得
- ×
- メール
- 他のアプリ
-->
スキップしてメイン コンテンツに移動米Warner Bros. Discovery(WBD)が14日、この夏に動画配信プラットフォーム「Max」を「HBO Max」に変更すると発表した。
<PR>
この現Max、2年前までの名称もHBO Maxだった。つまり、元の名前に戻すということになる。
WBDのプレスリリースでは、この2年間の収益や加入者の増加を挙げているが、自然な考え方をすればうまくいっているものをわざわざ変える必要はない。加入者、視聴者が前の名前の方が馴染み深いと感じていたということだろう。実際、視聴者の批判があったと報じる米メディアもある。
この件で、筆者が思い出したのが、以前、受講したブランディングに関するセミナー。講師はaceLabというマーケティング、ブランディングを行う会社の代表である、酒匂俊和氏だった。酒匂氏は元エイベックスのディレクターであり、浜崎あゆみさんのパブリックリレーションズなどを行った人物である。
セミナーの中で酒匂氏がブランディングの失敗例として挙げたのが、Tropicanaのリブランドだった。Tropicanaは2009年、それまでのフルーツにストローが刺さったパッケージをやめ、ジュースの写真と以前よりもモダンな印象を受ける「Tropicana」のロゴに変更した。しかし、大幅な売上減少を記録したため、わずか2カ月で元のパッケージに戻した、という失敗例である。
詳細は、こちらの記事に掲載されているので、興味のある方はご覧いただきたい。一時的に変更した際のパッケージ写真も、掲載されている。
![]() |
元に戻された際のTropicanaのパッケージ。2011年時点のもの。現在、日本で販売されているTropicanaは、ストローこそ描かれていないがどのフルーツか分かるデザインとなっている(Tropicanaのプレスリリースより) |
WBDのMaxの話に戻すと、こちらはあくまでも名前であり、Tropicanaのような視覚的インパクトに起因した問題とは異なるのかもしれない。一方で、視聴者からの反発があったということは、それだけ以前のブランドが浸透していたということであり、その点のみにおいてはTropicanaとも共通する。
<PR>
なお、先ほどの酒匂氏はセミナーの中で、次のような趣旨のコメントをしていた。
Tropicanaのリブランドのような提案をする者に、仕事のできない者はあまりいないのだという。むしろ、尖った発想をする者が提案をするケースが多く見られる。そして、提案したものが失敗したからといって、その者を見放してはいけない。それまで実績を残してきたメンバーであるはずなので、以後も従来と同じように仕事をしてもらい、失敗のケアもしてあげてほしい、ということだった。