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Marc Schröder
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スキップしてメイン コンテンツに移動いわゆる規格外の生鮮食品のオンライン販売プラットフォームを展開するMisfits Market(米ペンシルベニア州フィラデルフィア)が30日、The Rounds(同バージニア州アーリントン)を買収した。The Roundsは、繰り返し利用する配送用容器やクーラーバッグを使い生活用品をオンラインで販売、そして発送する企業。
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現在、The Roundsのウェブサイトにアクセスすると、Misfits Marketに買収されたこと、The Rounds側のメンバーシップや利用客が持っている容器はどうすればよいのかについての説明が掲載されている。
両社は、買収額を明らかにしていない。
Misfits Marketは2018年、Abhi Ramesh CEOが設立。同社ウェブサイトには、Ramesh氏が創業のきっかけとして「りんご狩りをしているときに、形の悪いりんごが大量に冷蔵庫で保管されており、農家もどうすればよいかわからないと言っていた」との経験があったからだと書かれている。
利用者がMisfits Marketのサービスを利用するは、まずアカウントを作成。毎週、3〜6日間の「ショッピング期間」が設けられており、その間に注文する。なお、年会費・月会費や注文義務、キャンセル料は発生しない。取り扱い商品は、The Rounds買収前までは食料品全般とペットフードだった。
また、利用可能な場所は、ハワイ州やアラスカ州などを除く米国本土のほとんどの地域となっている。
一方、これまでThe Roundsが販売しており、今後、Misfits Marketに移管する商品は、TechCrunchの報道によると清掃用品や紙製品をはじめとした生活用品、250点だという。
Misfits Marketにとっては、買収によってサステナビリティ面でのステークホルダーへの訴求力向上とともに取り扱い商品の多角化が図れる。つまるところ、これらは競争力の向上につながるだろう。
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2024年4月には、同じフィラデルフィアを本拠とする食料品配送のGopuff(法人名はGoBrands)と提携(Gopuffプレスリリースより) |
これらMisfits Marketの取り組みとビジネスは、称賛されるものであるだろう。一方、同社を決して批判するわけではなく、規格外、見栄えの悪い食料品が市場に出回らない理由の認知も必要になりそうだ。
日本国内の場合、規格外の農作物は、営農家や従業員の自家消費、肥料としての活用がされるケースがあるため、市場に出回るケースが少ない。この点は、Misfits MarketのRamesh CEOもりんご狩りの際、農家から「堆肥にしたり、捨てたり、豚の餌にしたりしていると聞いた」と振り返っている。
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【おちゃのこネット】
捨てるのは、たしかに忍びない。しかし、自家消費や肥料、動物の餌として活用するのは、営農家にとって負担が少なく規格外品のMottainaiをなくす方法であると、従事者やステークホルダーが周知していくことも求められるだろう。