Spotifyが米国・iOS向けオーディオブックで購入機能を再び搭載。ゲーム「Fortnite」の判決を受けて

Spotifyが以前は搭載していたオーディオブックの追加購入機能を米国向けに再び付随させた。Spotifyのアプリを使用中のスマートフォンが写り、同社の関連記事と分かるアイキャッチ画像

ゲーム「Fortnite」のアプリ内課金をめぐり同タイトルを販売するEpic GamesとAppleの間で展開されていた裁判は4月30日、カリフォルニア連邦地裁がAppleに対し、アプリ外でユーザーの購入があった際に手数料の徴収を禁じる判決を下した。判決後、Epic Gameは米国のApp StoreにFortniteを再び申請したものの承認が得られていないと主張していたが、5月20日、頒布が再開したと報じられている

本件は、Epic GamesがFortnite内で独自の課金システムを構築したのに対抗し、Appleが米国のApp StoreでFortniteを削除したことを発端とするもの。Fortniteについては今後、日本国内のゲーム専門メディアも報じるであろう。この記事では、関連するSpotifyのオーディオブックについて、取り上げる。

<PR>

Spotifyのオーディオブックにおいて有料会員は、15時間まで無料で聴取が可能。課金すれば、さらに長い時間の聴取ができる。この点は、国を問わず同じだ。

しかし報道によると、Fortniteの問題を受け、Spotifyは2022年より米国向けアプリで追加購入機能を廃止していた。

そして今月2日、事態が動き出す。判決を受け、Spotifyは購入機能を搭載したアプリのアップデートを行い、申請。Appleがこれを承認したのだ。さらに、Fortniteの再頒布に先立つ19日、Spotifyのアップデート版の頒布が始まった。

もっとも、Spotifyは発表の中で次のようにも言及している。

「この自由は世界中の著者、オーディエンス、開発者にとっての勝利です。ただし、Appleが引き続きこれを阻止しようとしているにもかかわらず、この法的判決が維持されればの話です」

実際、Appleは控訴を検討している模様だ。一方、裁判所側は過去の判決に対するApple側の背信的悪意を主張し、本件の刑事事件としての審査をカリフォルニア州北部連邦検事に付託した。

<PR>

今後についてはともかく、判例が各国政府や裁判所の動向に影響を与える可能性はある。また、iOSアプリ開発者やiOSアプリでビジネスを行う人々にとっても、見逃せないニュースといえるだろう。