理美容院などのサロン向け顧客管理プラットフォーム開発企業のBoulevard。予約から決済までをサポートするシステム

サロン向け顧客管理プラットフォームを開発するBoulevardを取り上げる記事。Boulevardのロゴが写り、同社に関する記事と分かるアイキャッチ画像

以前、病院の予約やチェックインなどをサポートする医療向けAIプラットフォーム開発企業、Hippocratic AIを取り上げた。

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病院と似たタスクがある事業分野として、理美容院やネイルサロンなどが当てはまるだろう。これらの業種は、顧客が予約した上で来店することが多く、顧客の嗜好などを記録しておけばさらなる収益拡大に寄与する場合がある。

今日、取り上げるのは、こうした理美容院やスパ(エステ)、ネイルサロン、マッサージサロン向けの予約、顧客管理、決済ができる米国のプラットフォーム開発企業、Boulevard Labsだ。顧客体験の順序に従って、Boulevardのプロダクトを見ていきたい。

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まず、予約。ウェブ上で行い、顧客のGoogle、Facebook、Instagramのプロフィールと同期が可能となっている。顧客の予約によって、対応スタッフの優先順位付けや予約枠数の変更などが行える。

無断キャンセルに備え、予約時に顧客からクレジットカード情報を教えてもらい登録もできる。無断キャンセルがあればこのクレジットカード情報を基にキャンセル料を徴収する他、予約時にデポジット(前金)を受け取ることも可能だ。

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続いては、顧客管理。基本的な機能としては、顧客ごとのこれまでの予約回数や平均売上といったデータが得られる。他、顧客との会話からどのような趣味、嗜好を持っているかの記録、過去に購入したものの履歴から商品補充が必要かの確認が可能。テキストメッセージによる、顧客との直接的、双方向のコミュニケーションも行える。

一方、デジタル広告を掲出しているサロンなどは、どういった動線で来店したかのトラッキングができ、広告の効果測定につながるものとなっている。

最後に、決済について。Boulevardは「Boulevard Duo」というタッチ決済端末を提供する。クレジットカードの他、Apple Pay、Google Payでの決済が可能だ。

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Boulevardは17日、シリーズD資金調達ラウンドで8000万ドル(119億円)を確保したと発表。プライベートエクイティ(PE)ファンドのJMI Equityが主導した。

資金は、プロダクトの機能強化やAIへの投資に利用する。

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BoulevardのMatt Danna共同創業者兼CEOは、次のようにコメントした。

「JMI Equityのチームと協業し、Boulevardのような垂直型SaaS企業の成長と次世代ブランドの構築を支援してきた彼らの豊富な経験から恩恵を受けられることを大変嬉しく思う(註・JMI Equityは、ソフトウエア、SaaSに重点的投資を行うPEファンド)。

今回の新たな資金調達により、お客様が求めているエンタープライズ機能の提供を加速させるだけでなく、最も魅力的なAI機能の開発、そしてスマートな運用システムの構築に、多くのリソースを投入できる」