ドイツのスタートアップ・Filicsが取り組む、物流のロボティクストランスフォーメーション。800kgの貨物を動かせる「Filics Unit」

パレットを動かすロボットを開発するFilicsを取り上げる。パレットの置かれた倉庫内が写る、Filicsの関連記事と分かるアイキャッチ画像

近年、各国のスタートアップが取り組む例で多く見られるが、危険な場所での作業や重労働を代替するテクノロジーの開発だ。

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たとえば、日本政府も積極的な姿勢を示す、バスの運転手から自動運転への代替。バスの運転手は必ずしも「3K」的な仕事ではないとはいえ、待遇に比して責任が重く、人材不足から路線バスの運休が各地で相次ぐ。

また、建設業もDX、RX(ロボティクストランスフォーメーション)が盛んであるし、物流業もそれは同じだ。

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今回、取り上げるFilicsは、ドイツ・ミュンヘンのスタートアップ。「Filics Unit」と呼ばれる機器を開発し、2台1対がパレットの下に潜り込んで貨物を運ぶものだ。つまり、Filicsは物流におけるRXを進めるスタートアップである。

パレットを運ぶFilics Unit(Filicsプレスリリースより)

Filics Unitのスペックは以下の通り。

  • 最大積載量:800キログラム
  • 最高速度:秒速1.2メートル(時速4.3キロメートル)
  • 充放電:30分でフル充電、最大6時間稼働

また、前後左右、斜めなど平面であればあらゆる方向に進行でき、レーザーナビゲーションで動く。操作するためのソフトウエアはパソコンやタブレットなどで動き、原則的に端末を選ばない。

すでに、DHLやCoca-Colaの欧州法人といった著名企業が利用しているという。

Filics Unitの導入によって現状でも最大30パーセントの省スペースができるというが、Filicsはさらなる開発によってこの数字を66パーセントまで引き上げることを目指す。また、将来的にはトラックへの積み込みまで完全自動で行えることを目標に据える。

Filicsは7日、1350万ユーロ(23億円)の資金調達を行ったと発表。Amazonのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるAmazon Industrial Innovation Fundなどの新規投資家や既存投資家が参加した。

調達した資金は、プロダクトの開発や世界進出に利用する。

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Gregor Kolls共同創業者兼CEOは、「力強いご支援のおかげで、技術をさらに最適化し、拡張できる。投資家の皆様の信頼は、私たちにとって追い風であると同時に、私たちの義務でもある」と謝辞を述べた。

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