ホテル向けAI開発・Inntelo AI。利用客向けと従業員向け双方のプロダクトをつくる英スタートアップ

Inntelo AIを取り上げる。ホテルのフロントスタッフが写り、ホテル向けAIプロダクトを開発する同社の記事と分かるアイキャッチ画像

海外のスタートアップ動向を追っていくと、AIに関連した企業のニュースが非常に多い。とりわけ、ソフトウエア、SaaSと呼ばれる分野においては、ほとんどが「AIドリヴン」「AI搭載」のプロダクトを開発するスタートアップといっても過言ではない。

今回、取り上げるInntelo AI(正式社名はInform)は、ホテル向けのAIプロダクトを開発するスタートアップ。英ロンドンに本社を置く。

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Inntelo AIは、ホテルの利用客向けのAIプロダクトとホテル従業員のタスク管理をするAIプロダクトを開発している。

前者は、フロントデスク、コンシェルジュの業務を代替するもので、チャット形式で利用客に対応。多言語対応としているが、具体的にいくつの言語が利用できるかは不明だ。また、ここで出た利用客からの要望は、後述する「Task Management」に反映する。チャットのプラットフォームは、メッセンジャーアプリのWhatsAppである。

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そして、従業員のタスク管理用プロダクトが、Task Managementだ。以下の業務の管理を行う。

  • ハウスキーピング
  • メンテナンス
  • ルームサービス
  • コンシェルジュサービス
  • フロントデスク

先程のAI Conciergeで顧客から清掃に関する要望があれば、ハウスキーピング担当の従業員にタスクが割り振られる。また、ルームサービスに関しては、調理のスタッフから配送のスタッフまで、シームレスにタスクが進むよう、設計しているという。

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欧州を中心としたメディアは14日、Inntelo AIが資金調達に成功したことを報道した。公式発表はされていない。

フェーズはプレシード資金調達ラウンドで、調達額は50万6000ポンド(1億円)。英国のHaatchとBritish Business Investmentsが主導した。資金は、販売、マーケティング、システムの統合に利用する。

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英メディア・Bdailyの取材にInntelo AIのAsif Alidina CEOは次のように応えている。

「ホテルが新しいテクノロジーを導入するのに苦労するのは、実際の運用に関する洞察がないままに開発されているためだ。ホスピタリティ業界がこれまでよりも早くテクノロジーを導入できるだけでなく、より広範な不動産業界やサービス業界をリードできるこの新しい時代を、私たちは非常に楽しみにしている(註・Alidina氏はホテルの運営経験がある)。

AIはゲストのユーザーエクスペリエンスを向上させ、ホテルチームにとってより良い労働環境を作り出せる。それが私たちが目指す未来であり、今回の資金調達により、私たちはより速く、より遠くまで進むための支援を得ることができた」

コメントから、公式発表こそないものの資金調達が行われたのはたしかだと分かる。

また、同じ記事では、RadissonやWyndhamといったホテルチェーンが、Inntelo AIのプロダクトを利用していることに触れている。