Fordが新型EVを8月11日に発表へ。新車が与えるインパクトは「T型の瞬間になる」とCEO

Fordが8月11日に、新型EVを発表する。Fordのエンブレムで、同社に関する記事と分かるアイキャッチ画像

米自動車大手のFord Motorは7月30日(現地時間。以下同)、第2四半期決算を発表した。四半期単体での売上高は5パーセントの増収となったものの、純損益では3600万ドルの赤字を計上。通期見通しの中では、米政府の関税政策が20億ドルの下押し効果があるとの説明があった。

決算については日本国内のメディアでも多数の報道がされているので、そちらをご覧いただきたい。

この記事では、Fordが四半期決算発表と同時に明らかにした8月に予定している発表について取り上げる。同月11日、ケンタッキー州でのイベントで新型電気自動車(EV)を発表すると、明らかにした。

新型EVの発表を、Jim Farley CEOは「T型(Model T)の瞬間になる」と説明。つまり新型EVは、1908年に発売し、世界的にも自動車が普及する大きなきっかけとなったT型フォードと同様のインパクトを与えるということだ。

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本件を報じるTechCrunchによると、Farley氏は2024年2月、安価なEVを開発する「スカンクワークス(skunkworks)」チームが社内に存在すると明らかにした。スカンクワークスは、Teslaの開発責任者だったAlan Clarke氏が主導し、Teslaの他、Rivian、Apple、Lucid Motors出身者が在籍しているという。

Clarke氏のLinkedInによると、同氏がTeslaを退職しFordへ移籍したのは2022年1月となっている。よって、新型EVの開発は3年超にわたって行われていると見られる。

また2024年8月には、安価な新型EVは中型ピックアップトラックとなり2027年に発売予定だと、Fordは明かした。

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再来週の発表が、既報の通りの車となったのか、それとも新たな方向性を打ち出すのかが、まず注目のポイントとなりそうだ。一方で、Farley氏が豪語するように新型EVがT型フォードの再来であるのかを真に評価するのは、マーケットとなる。T型フォードの時代より、社会の不透明性、不確実性が高まっている中で消費者に受け入れられるためには、ある種のT型よりも強い訴求力が必要となりそうだ。

なお、Fordは2016年に日本市場から撤退しているため、日本国内の人が新型EVを購入するには、並行輸入などが手段となる。

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