9月8〜12日の資金調達まとめ・その1|MadSci、DataCrunch.io、Mazlo、Nuclearn

9月8〜9日に発表があった資金調達のまとめ記事。GPUチップが写り、取り上げるAI関連企業、DataCrunch.ioやNuclearnをイメージさせるアイキャッチ画像

9月2週目に発表のあったスタートアップの資金調達をピックアップする。今回は複数回に分けた1回目。週の前半となる8〜9日に発表があった企業、4社が取り上げる対象だ。

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Madison Scientific|シードで合計1000万ドル

MadSciを公式略称とする米Madison Scientificは、SmartShuntという商品名の水頭症治療システムを開発している。

水頭症は、人の脳の空洞部に水が溜まってしまう疾病。水の量が多くなると、脳損傷などを引き起こし、最悪のケースでは死に至る。この水を抜くために利用されているのが、シャントだ。シャントはチューブのようなもので、脳の水を抜き腹腔へ流すのが現在の主な治療法となっている。

しかし、機能不全を起こすことがこの治療法の課題だ。MadSciのSmartShuntは、こうした課題解決を図るもの。もっとも、どのような仕組みを構想しているかは、明らかになっていない。

MadSciは8日、シード資金調達ラウンドで300万ドル(約4億4000万円)を確保。今年初頭もシードラウンドに位置付けた調達で700万ドルを確保しており、同一ラウンド中の調達総額は1000万ドル(約15億円)となった。資金は、SmartShuntの開発や人員確保に利用する。

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DataCrunch.io|シリーズAで6400万ドル

DataCrunch.ioは、生成AIの開発などでGPUサーバーを使いたい企業、研究機関、政府機関に貸し出す、フィンランドのAI・GPUプロバイダー。ユーザーには、ソニーやFreepikなどが存在する。

8日、シリーズA資金調達ラウンドで6400万ドル(約94億円)の確保を発表。この金額には、借入金も含まれる。資金は、NVIDIAのGPUであるB300や、B300を搭載した統合システムであるGB300の導入に利用する。

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Mazlo|シードで合計460万ドル

非営利団体(NPO)向けフィンテックを提供する米Mazloは9日、シード資金調達ラウンドの一部として350万ドル(5億2000万円)を確保し、同ラウンドの調達総額が460万ドル(約6億8000万円)となった。同社について、以下の個別の記事で取り上げているので、ご覧いただきたい。

関連記事:米国でNPO向けフィンテックを提供するMazloとは?最初の資金調達にはa16zも参加

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Nuclearn|シリーズAで1050万ドル

Nuclearnは、原子力発電産業に特化したAIプラットフォームを開発する米国の企業。同社は、Bradley Fox CEOとJerrold Vincent CFOにより2021年、設立。2人とも、アリゾナ州のパロベルデ原子力発電所に勤務していた人物だ。

パロベルデ原子力発電所(APSプレスリリースより)

共同創業者らは、原子力発電所勤務時代からAIモデルを構築。業界特有の用語などを理解するAIだ。その評判が、他の原子力発電所に伝わり、起業につながった。

9日、シリーズA資金調達ラウンドで1050万ドル(約16億円)の確保を発表。資金は、プロダクト開発や人員確保に利用する。

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参考文献
※1:MadSci
※2:MadSci Announces $10 Million Oversubscribed Seed Financing to Advance Smart Technology for Neurologic Conditions(MadSciのプレスリリース)
※3:MadSci raises $10M in seed funding for hydrocephalus system(MobiHealthNews)
※4:DataCrunch.io
※5:Nuclearn
※6:Nuclearn gets $10.5M to help the nuclear industry embrace AI(TechCrunch)