9月3週目に発表があった海外スタートアップの資金調達を複数回に分けて取り上げる記事の3回目。18日に調達が明らかとなった、4社を紹介する。
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Phia|シードで800万ドル
米国のファッションスタートアップ。4万以上のサイトから商品価格の情報を収集できるGoogle Chromeの拡張機能を開発した。
創業者は、Phoebe Gates氏とSophia Kianni氏。Gates氏はBill Gates氏の子女であり、Kianni氏はNPOであるClimate Cardinalsの創設者で国連顧問にも就任している。
18日、シード資金調達ラウンドで800万ドル(約12億円)を確保。ベンチャーキャピタル(VC)のKleiner Perkinsがリードインベスターを務めた。
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Numeral|シリーズBで3500万ドル
売上税に関するコンプライアンス遵守のためのデジタルプラットフォームを開発。Numeralが拠点を持つ米国には売上税を課す地域があり、それぞれの地域で税率や納付の方法などが異なる。Numeralは、こうした売上税がどれくらいかかるかの計算、納付漏れを起こさないためのプラットフォームだ。
関連記事:米国の売上税ソリューション「Kintsugi」とは?日本の消費税より複雑な制度で事業者をサポート
また、世界60カ国以上の付加価値税納付にも対応している。
18日、シリーズB資金調達ラウンドで3500万ドル(約51億円)を確保。VCのMayfieldが主導し、Y Combinatorなども参加した。資金は、開発やグローバル展開に利用する。
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MoldCo|シードで800万ドル
米国でカビ毒性の解毒に特化した遠隔医療プラットフォームを開発。MoldCoによると、米国の過半数の世帯がカビが生息する兆候が見られるという。しかし、多くの医師がカビへの対応を行っていない。そのソリューションとなることや治療費の低減を目指す。
18日、シード資金調達ラウンドで800万ドルを確保。VCのCantosとCollaborative Fundが主導した。資金は、バーチャルクリニックの拡大に利用する。
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Buscaro|200万ドルを資金調達
パキスタンで交通関連アプリを開発するスタートアップ。同国に存在する都市が抱える課題が、通勤、通学手段の不足だ。Buscaroは、公共交通であるバスが過密状態、リキシャ(人力車)は安全面で不安があり、配車アプリは高額で普段使いができないと説明する。
そこで同社は、企業・団体向けの配車アプリを開発。従業員をはじめとした乗客の居住地などを基に、組織ごとのカスタマイズをしたルートで運行する。車両は、ウェブサイトを読む限りバスやワンボックスカーを使っているようだ。
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Maha Shahzad創業者兼CEOとBuscaroの車両(同社プレスリリースより) |
具体的な金額は明らかでないものの低価格を実現し、保険やカスタマーサポートを備える。
18日、アラブ首長国連邦(UAE)の投資会社であるDaman Investmentsをリードインベスターとする資金調達ラウンドで、200万ドル(約3億円)を確保。資金の使途であるとは明言していないが、Buscaroは今後、Tier2の都市に展開していくと説明する。パキスタンやインドは、都市の規模が大きい順にTier1、Tier2、Tier3といった分類をしている。
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参考文献
※1:Phia
※2:How Phoebe Gates and Sophia Kianni used Gen Z methods to raise $8M for Phia(TechCrunch)
※3:Phia(Crunchbase)
※4:Numeral
※5:Numeral Empowers Growing E-Commerce & SaaS Brands with Complete End-to-End Sales Tax Automation Backed by $57M in Funding(Numeralのプレスリリース)
※6:MoldCo
※7:MoldCo Raises $8M to Address Mold & Environmental Toxins Health Crisis, Standardize Mold Detox as Routine Preventative Care(MoldCoのプレスリリース)
※8:Buscaro
※9:Buscaro raises $2M to scale safe, tech-enabled commuting across Pakistan(Buscaroのプレスリリース)