25日、オーディオストリーミングサービスのTuneInと米緊急事態管理庁(FEMA)のパートナーシップ締結が、発表された。米国で発信される公共警報をTuneInでも配信するという内容だ。
また同日、Hippocratic AIとEraas Healthのパートナーシップ締結も発表があった。こちらはEraas Healthが有するリアルタイムの気象データとHippocratic AIの生成AIを用いて、関係機関に対するサポートを行う内容となっている。
いずれも、災害や気象に関連するパートナーシップということだ。それぞれを見てみたい。
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TuneInとFEMAの提携には懸念も
米国には、統合公共警報システム(IPAWS)という国民へハリケーンや竜巻、テロなどの危険を周知する仕組みがある。日本におけるJアラートに相当するものといえよう。TuneInとFEMAのパートナーシップは、このIPAWSをTuneInアプリで配信するものだ。
TuneInは、米国内外のラジオ番組やポッドキャスト、スポーツ中継などが聴けるアプリを配信。カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く企業だ。
TuneInアプリでのIPAWS配信は、重要度によって異なる通知になる。低リスクのIPAWS配信の場合は、視覚的な通知を行う。一方、高いリスクのIPAWS配信の場合、それまでユーザーが聞いていた番組などのストリーミングを中断。音声と視覚的通知の両方で警報があったことを知らせる。
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同社のYasmin Coffeyゼネラルマネージャーは、次のようにコメントしている。
「TuneInアプリから直接IPAWSのアラートや警告メッセージを受信できるようにすることで、自動車OEM各社は、重要な公共安全アップデートをシンプルかつ費用対効果の高い方法でサポートできるようになる。TuneIn Android Automotiveアプリが利用可能な車両であれば、どこでもシームレスに起動できる。
業界がデジタルファーストのオーディオ体験へと移行する中で、これは重要な前進だ」
米国では、Rivian、Lucid、Tesla、Sony Honda Mobility、Jaguar、Land Rover、Mercedes、VolvoなどといったOEMの車が、TuneInの機能と統合したシステムを搭載している。つまり、Coffey氏のコメントは、最近の電気自動車(EV)などを所有するオーナーは、特に何もしなくても車の中でIPAWSの情報を受け取れる場合があることを示すものだ。
もっとも、米メディアのTechCrunch(TC)は、Trump米政権がFEMAの人員削減を進めていることを指摘。TuneInで正確な情報を配信できるか懸念されている点を、報じている。
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Hippocratic AIとERAAS Healthの連携はニューヨークで実証済み
一方、Hippocratic AIとERAAS Healthは、すでに米ニューヨークで実証を行っている。今夏も熱波が世界中を襲ったが、ニューヨークが極度の高温となった場合は、HippocraticとERAASのジョイントによってアラートの配信、どのように安全対策を取るかという方法の解説、公共的な冷房が効いている場所の案内を行った。
なお、Hippocratic AIは医療向け生成AIを開発する企業、ERAAS Healthは気象データとAIを用いた医療・健康に関する情報を取り扱う企業だ。
関連記事:米Hippocratic AIが日本市場参入を発表|ユカリアと提携
今後のパートナーシップでは、ERAASのリアルタイムの気象データを元に、州政府や医療保険制度が行動を起こせるよう支援する。気象に起因する国民の健康状態悪化が進行する前のアクションによって、医療費を削減することが目的だ。
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参考文献
※1:TuneIn Delivers Real-Time Emergency Alerts to Drivers Through New Collaboration with FEMA IPAWS(TuneInのプレスリリース)
※2:TuneIn adds FEMA’s real-time emergency alerts to its service(TC)
※3:Hippocratic AI and ERAAS Health Partner to Deliver Real-Time, Climate-Responsive Outreach for At-Risk Populations(Hippocratic AIのプレスリリース)
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