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日本国内の賃貸住宅は、ペットの飼育可否がはっきりと分かれている方だといえるだろう。一方、ショッピングモールではペット同伴可とする施設が増えており、社会全体を見ると以前よりもペットフレンドリーとなっているように感じられる。
太平洋の向こう側にある米国も、日本と同様、賃貸住宅はペット可のところもあれば、不可のところもある。前者について、不動産オーナーなど利害関係者を支援するスタートアップが存在する。
それが、PetScreeningだ。
物件内で飼われているペットに関する情報、飼育のポリシー(規約)などを統合したプラットフォームを開発し、オーナー、飼い主の他、ペットを飼わない賃借人への配慮にもつながるソリューションとなっている。本記事では、PetScreeningを取り上げる。
ノースカロライナ州の政治家が立ち上げ
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(pixabay) |
PetScreeningは2017年、John Bradford CEOにより米ノースカロライナ州で設立。Bradford氏は、不動産投資・管理会社を経営する一方、政治家としても活動する人物で、以前は同州選出の下院議員を務め、現在も同州議会議員を務めている。
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プラットフォームとしてのPetScreeningは、2万8000以上の不動産管理会社や管理組合などのコミュニティーがすでに利用。主に、以下3つの機能を有する。
- ペットのデジタル管理
- ポリシー策定
- ペットプロフィールの作成と共有
1点目は、オーナー向けの機能だ。オーナーは、保有物件内で飼われるペットの状況、賃料などの情報をダッシュボード上で確認できる。
2点目は、ポリシーの策定とともに、飼い主にペットに関する誓約・証明書の提出を義務付ける。具体的には、噛み付き歴やワクチン接種歴など21の要件を記入。これは、法的効力を有するものとなっている。
最後の3点目は、オーナーと飼い主向けのペットプロフィールの一元的な共有だ。プロフィールを基に、PetScreeningが考案したFIDOスコアという評価方式で、物件やペットのリスクをオーナーに知らせる。また、飼い主に対してはトリマーや獣医など必要な情報を提供する。
ペットを飼わない賃借人向けの機能もある。
プロフィールなどでどの物件にペットがいるかを把握でき、もし飼い主不詳のペットが物件内で発見した場合、オーナーや管理会社へ連絡するためのツールとなる。
また、ポリシーを破り申請のないペットがいた際には、オーナーがそれで発生する逸失利益を取り戻す支援をPetScreeningが行う。
他、PetScreeningは不動産関連の12のSaaSと統合が可能。プラットフォーム上で、介助動物に関する審査も行える。
3月に116億円を資金調達
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(pixabay) |
PetScreeningに関する最近の大きな動きとして、資金調達の成功がある。
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3月6日、シリーズB資金調達ラウンドで8000万ドル(116億円)を確保。同ラウンドでは、ベンチャーキャピタル(VC)のVolition Capitalとプライベートエクイティ(PE)ファンドのGuidepost Growth Equityが主導した。
この発表におけるプレスリリースでは、資金の使途としてマーケティング、人員確保、コンプライアンス面の強化を示唆している。
また、同じくプレスリリースによると、現在の同社の従業員数は135人。「Inc. 500」や「Deloitte Technology Fast 500」などといったメディア、コンサルティングファームが選ぶ急成長起業リストにも取り上げられた。
市場調査会社の発表の中には、2035年までのペットテック市場は年平均成長率16パーセントで推移していくとの予測もある。責任あるペット飼育のための支援も、その一つとなるだろう。