Thinking MachinesがOpenAIから「顧問」を2人獲得。2月に設立したばかりのAI企業

Thinking Machines LabがOpenAIから2人の人材を獲得。「AI」と書かれたファイルが写り、AIスタートアップに関する記事と分かるアイキャッチ画像

米AIスタートアップのThinking Machines Labが競合のOpenAIから人材を獲得したと、同国のメディア、TechCrunchが伝えている。

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まず、Thinking Labがどのような企業であるのかを見てみたい。

現在、同社のオフィシャルサイトはおそらく1ページしか公開しておらず、また白地に黒い文字でテキストのみが記された、非常にシンプルな構成となっている。そして、企業の説明の冒頭には「Thinking Machines Lab は、人工知能の研究と製品を扱う会社です」と記載。その上で、「当社は科学やプログラミングなどの分野で最先端の機能を備えたモデルを構築しています」としており、新たな大規模言語モデル(LLM)をつくろうとしていることがうかがえる。

創業者はMira Murati氏だが、彼女自身、OpenAIの元最高技術責任者(CTO)だ。Murati氏は昨年9月、OpenAIを退職。パブリックベネフィットコーポレーション(PBC。公益性を重視した米国の企業形態で、日本でも岸田政権下で同様の仕組み導入が議論された)として、今年2月にThinking Labを立ち上げた。

そして、Thinking Machinesが獲得したのは、OpenAIでは最高研究責任者だったBob McGrew氏とAlec Radford氏の2人。前出のTechCrunchによると、3月に「ひっそり」と2人の名前がウェブサイトに掲載された、としている。SEMEION編集部も、両者が「Advisors」(顧問)として記載されているのを確認した。

AIの世界は、米欧中の各社がパラメーター数などでしのぎを削っているが、人材獲得も激しいことがうかがえる。