クレジットカードを利用した中小企業向けフィンテック企業・Affiniti。サービスの概要と直近の資金調達について

米国の中小企業向けフィンテック企業であるAffinitiを解説。クレジットカードが写り、コーポレートカードを利用した同社の関連記事と分かるアイキャッチ画像

米国にBrex、Rampというスタートアップが存在する。フィンテックに詳しい読者には説明不要だろうが、いずれも顧客がクレジットカード(コーポレートカード)を利用しつつ、財務の自動化や分析まで行えるプラットフォームを開発した企業だ。Brexは、年内のIPOも予想されている。

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しかし、BrexもRampも、大企業向けのプラットフォームである。そこで、中小企業にもコーポレートカードを使ってもらいつつ、財務の合理化を図ることを目指すフィンテック企業が、Affinitiだ。

Affinitiは2021年、ニューヨークで設立。カリフォルニア大学バークレー校で出会ったAaron Bai氏とSahil Phadnis氏の2人が共同創業者となっている。シリーズA資金調達ラウンド(後述)を機にしたTechCrunch(TC)のインタビューによると、現在、Bai氏は20歳、Phadnis氏は22歳だという。

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同社のウェブサイトを見て特徴的に感じるのが、業界団体と提携している点。例を挙げると、全米不動産協会、全米矯正義肢協会、全米独立自動車ディーラー協会や地域の医師会と提携する。コーポレートカードをつくるのは、これらに加盟する中小企業だ。なお、クレジットカードの国際ブランドは、Mastercardとなっている。

とはいえ、コーポレートカード自体は以前からあるし、中小企業だからつくりにくいということもない。

前出のTCのインタビューでBai氏は、分析情報を提供できるフィンテック企業であるのが、既存のコーポレートカードやフィンテック企業との違いだと話す。中小企業は財務の分析・改善の提案・実行が行える人的リソースに必ずしも恵まれていない。金融機関はどうしても自社の利益が第一になるし、公認会計士や税理士は必ずしも顧客の業界に精通しているとは限らないだろう。

財務面のサポートの他、利用者による物品の共同購入で調達費を削減できるサービスも展開。なおTCの記事によると、設立から14カ月で利用企業は1800社になったという。

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先ほども少し触れたシリーズAは20日に完了し、1700万ドル(25億円)を調達した。