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2024年8月、米国のジャーナリストであるAndrea Bartz氏、Kirk Wallace Johnson氏、Charles Graeber氏、Charles Graeber氏がAI企業のAnthropicを提訴した。自分たちが著者となっている書籍を使って、Anthropicが無断でAIに学習させていることは著作権侵害であるというのが、原告側の主張だ。
24日、この事件につきサンフランシスコのWilliam Alsup連邦地裁判事は、Anthropicの著作物利用はフェアユースの範囲内であり合法であるとの判決を下した。Anthropicはフェアユースの範囲で学習させたとの主張をしており、それが認められた格好だ。
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フェアユースとは、米国における著作権に関する概念の一つ。フェアユースと認められる形であれば、著作権者の承諾がなくても一定の範囲内で著作物を利用できる。たとえば、教育のような公共的性質を有する目的での利用や、人気漫画のパロディーを私的に制作する、などが挙げられる(後者の場合、販売すると商業目的と見なされ、フェアユースに該当しない)。
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同様の裁判は、これ以外にも起こっている。また、そうした裁判の中でAnthropicと同じように、AI企業側はフェアユースの範囲内であるとの主張をするケースが見られる。よって今回の判決は、他の裁判所やAI企業の動向にも影響を与えそうだといえるだろう。
もっとも、裁判のポイントはフェアユースだけではない。
Anthropicは、世界中のすべての書籍を永久に保存する「中央図書館」を構築しようとしている。しかし、Anthropicがトレーニングや中央図書館の構築に当たって、書籍のデータは海賊版から取得していると指摘されている。
この件については、引き続き審理が行われ、年内に裁判が開かれるという。
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日本国内においては、こうした裁判の例は非常に数が限られている。一方、文化庁はAIの学習段階における著作物の利用は、原則として著作権侵害に当たらないとの味方を示す。
参考文献:
Anthropic wins key US ruling on AI training in authors' copyright lawsuit(Reuters)
A federal judge sides with Anthropic in lawsuit over training AI on books without authors’ permission(TechCrunch)
AIと著作権(文化庁)