在外インド人向け送金ソリューションのAspora|英国を皮切りに世界展開進める

インドの送金サービスであるAsporaを取り上げる。インドルピー紙幣が写り、Asporaを取り上げる記事と分かるアイキャッチ画像

インドは、歴史的経緯から国民が英語を扱えて、また政策として数学教育やコンピューター教育に力を入れてきた。一方、国内では高収入が得られる仕事が限られているという短所もある。そこで国民は、できるだけ高い収入を得ようと国外へ出るケースが少なくない。

<PR>

こうした在外インド人は、Non-Resident Indian(非居住インド人)を略してNRIと呼ばれる。システム開発会社などに属する読者の中にも、インド人の同僚がいるという例があるだろう。

ある国民が海外へ出れば、親族への仕送りや自身の財産形成のため、母国へ送金する機会が生じる。NRI向けに、こうした送金サービスを手掛けるのが、Asporaというスタートアップだ。

Asporaは2022年、Vanceという社名で設立。求人情報などから、インド国内ではバンガロールとガンディーナガル、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ、英ロンドン、リトアニアのビリニュス、カナダに拠点を設けているようだ。

<PR>


送金事業は2023年からスタート。当初は英国在住のNRI向けに行い、以後、欧州やUAEでもサービスを拡大した。TechCrunch(TC)の報道によると、7月には米国でも事業を始める。また、カナダ、シンガポール、オーストラリアへの進出も予定している。

Asporaの創業者であるParth Garg氏は、TCの取材に以下のようにコメントした。

「NRI向けの金融商品は複数存在する。しかし、デジタル決済の仕組みがないため、NRIはそれらの存在を知らない。彼らはインド国内の国民と同じ銀行アプリを利用している可能性があり、そのため、NRI向けの商品を見つけるのが難しくなっているともいえる」

Asporaとインド国内の銀行などといった競合との差別化について、為替レートの点から見てみたい。

本稿執筆時点(17日午後4時30分頃)で、Asporaのウェブサイトに掲載されている1000ポンドでいくら送金できるかの表を見ると、以下の通りとなっている。

Asporaは手数料が幾分、高いものの、高レートでもあり、最終的に送金される額は大きくなっている。もちろん、Aspora側が示しているものであり、別の金融機関などでは利用客にとってより有利な例が存在する可能性もある。

<PR>
生徒一人一人に合わせたカスタマイズマンツーマンレッスン【スパルタ英会話】

15日には、シリーズB資金調達ラウンドで5000万ドル(72億円)を確保したと発表。Sequoiaなどのベンチャーキャピタル(VC)が主導し、Y Combinatorも参加した。

今後は、送金以外の金融サービスも展開していく予定だ。