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Marc Schröder
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スキップしてメイン コンテンツに移動商品販売の手法で「クロスセル」と呼ばれるものがある。読者の中には、家電量販店で冷蔵庫など比較的高額な商品を購入する際、スタッフから「ウォーターサーバーを契約していただければ、さらに割り引きます」といわれた経験はないだろうか。これが、異なる商品やサービスをともに提案する、クロスセルである。
そしてシンガポールにある、保険とその他のプロダクトとをつなぐプラットフォームの開発企業が、Bolttechだ。
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同社がどのようにプロダクトと保険をクロスセルしているか、消費者の視点から見ていきたい。
ECサイト上でスマートフォンを購入しようとしている消費者がいるとする。このECサイトはBolttechが運営しているのではなく、Bolttechのパートナー(提携)企業によるものだ。そこで、最終的な購入をする直前に「月額500円で故障時の補償が付けられます」というような案内が表示される。ここで補償を選択すると、BolttechのAPIで損害保険の契約に至るという仕組みである。
よって、消費者はBolttechを意識することなく、プラットフォームを利用していることになる。
また、当事者それぞれのメリットを挙げると、Bolttechはシステム利用料やその他の手数料などでマネタイズ、パートナー企業は自ら保険商品を立ち上げることなく保険の販売手数料を得られる、保険会社はオンライン上で広くスピーディーに販売が可能になる。
こうした仕組みから、Bolttechは自社を「インシュア(保険)テック」企業と位置付ける。そして、前述のようなスマホの他、住宅、自動車、旅行、サイバーセキュリティなど、パートナー企業の分野は多岐にわたる。
Bolttechは4日、シリーズC資金調達ラウンドの完了を発表した。調達額は1億7400万ドル(249億円)。投資家となったのは、住友商事とポルトガルの投資会社であるIberis Capitalだった。なお、これに先立つ5月7日、住友商事と戦略的提携の発表もしている。
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5月の提携発表時にBolttechが発信した写真。Bolttech、住友商事の両社メンバーが写る(Bolttechプレスリリースより) |
資金調達を終え、BolttechのRob Schimek CEOは次のようにコメントした。
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「シリーズCの資金調達を成功裏に完了するに当たり、新たな戦略的投資家である住友商事とIberis Capitalを迎えることができ、大変嬉しく思う。今回、受けた投資によって、世界中のお客様によりよい保険体験を提供するというコミットメントを強化できる」
日系企業では東京海上日動も2022〜2023年にかけて、Bolttechに投資している。