FedEx創業者のFrederick Wallace Smith氏が死去。「メンフィス史上、最も重要な人物」と地元紙

FedEx創業者のFrederick Wallace Smith氏が死去。同氏の写真で関連する記事と分かるアイキャッチ画像。画像はFedExのプレスリリースより https://www.businesswire.com/news/home/20220328005838/en/Raj-Subramaniam-to-Become-President-and-CEO-of-FedEx-Corporation-Frederick-W.-Smith-to-Serve-as-Executive-Chairman

米FedExの創業者、Frederick Wallace Smith氏(写真)が21日、老衰により80歳で亡くなった。同社が発表した。

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この記事では、同社のプレスリリースや報道から、Smith氏の足跡を振り返る。

Smith氏は1944年、ミシシッピ州に生まれ、FedExが本社を置くテネシー州メンフィスで育った。同名(Frederick)の父は、メンフィスで路線バスなどの事業を展開し、成功を収めたという。

1962年、イェール大学に入学。在学中は、操縦免許を取得していたことからチャーター機のパイロットを務め、またFedExの戦略となるハブアンドスポーク理論の原型もこの頃、生み出した。ハブアンドスポークは、ハブ拠点を置きそこから小規模の拠点へ配送、またハブとハブの間は大規模な輸送を行うものである。

1966年、大学を卒業し、米海兵隊に入隊。ベトナム戦争に従軍した。1970年に、大尉の階級で除隊している。

その3年後の1973年、Federal Expressを設立。Dassault Falconを14機を擁してのスタートだった。Federal Expressは日本語にすれば「連邦運輸」となり、ネイションワイドに感じられる社名である。Smith氏は、大きく重要な会社であることを印象付けたかったが、実のところ将来はまったく保証されていない状態だったと、過去、AP通信の取材に答えている。

もっとも、その後は成長の軌跡をたどり、現在では1日あたり1700万件の貨物を取り扱うまでになった。事業活動もグローバルに行っている。1994年には、社名をFederal ExpressからFedExに改称した。

2022年、社長兼CEOから勇退し、以後は取締役会長として会社を見守り続けた。

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Smith氏の死をメンフィスの地元紙、『The Daily Memphian』は「『メンフィス史上、最も重要な人物』が死去」との見出しで報じた。このメンフィス史上の重要人物との形容は、同市の元市長であるJim Strickland氏のコメントから採られたものだ。

また、同じ記事にはFedExの現CEOであるRaj Subramaniam氏が従業員に宛てた次のメッセージも掲載されている。

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「フレッドは業界のパイオニアであり、偉大な会社の創業者というだけでなく、FedExの心であり魂でした。彼は多くの人にとってのメンターであり、すべての人にとってインスピレーションの源でした。彼はまた、誇り高い父親、祖父、夫、海兵隊員、そして友人でもありました。

この困難な時期に、スミス家全員を思い、祈り続けてください」