9月2週目に発表のあったスタートアップの資金調達をピックアップする記事の3回目。今回は10〜11日の2日間で調達を発表した3社を取り上げる。偶然にも、すべて医療やメンタルヘルスと関連する米国企業となった。前回の記事は、以下のリンクからご覧いただきたい。
関連記事:9月8〜12日の資金調達まとめ・その2|Born、Clyx、CuspAI、Unmind、Vantage Data Centers
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Noxilizer|PEファンド主導で3000万ドルを調達
米国で二酸化窒素(NO2)での滅菌装置を開発する企業。医薬品、医療機器の滅菌に利用するものだ。
従来、こうした滅菌にはエチレンオキシド(EtO)が利用されてきた。しかし、発がんリスクが懸念され、2023年に米環境保護庁はEtOへの規制を強化し、代替案が見つかればEtOの使用を禁止する方針を示している。
NoxilizerのNO2での滅菌は、この代替手段となり得るものだ。
10日、3000万ドル(約44億円)の資金調達を発表。プライベートエクイティ(PE)ファンドのNewVale Capitalが主導した。資金の使途について、NoxilizerのChristopher Thatcher社長兼CEOは「特にエチレンオキシド(EtO)の契約滅菌業者が修復義務の増加とキャパシティ制約に直面している中で、お客様に大規模かつ長期的な信頼性をもってサービスを提供するための基盤を強化する」とコメントしており、製造・供給体制やマーケティングの強化などを検討していることがうかがえる。
Meela|シードで350万ドル
高齢者の孤独を癒やすため、音声による会話が可能なAIコンパニオンを開発する米国企業。特別なデバイスやアプリは必要なく、スマートフォンさえあれば利用できる。利用の手順としては、Meelaのサイトでサインアップし、利用者の電話番号を登録。電話してほしい日時を設定し、その時が来たら会話するという流れだ。
11日、シード資金調達ラウンドで350万ドル(約5億円)を確保。Bain Capitalの中でもベンチャーキャピタル(VC)機能に特化したBain Capital Venturesが主導した。資金は、研究開発への投資に利用する。
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Diana Health|シリーズCで5500万ドル
女性の妊娠から産後、更年期に至るまであらゆるプロセスでヘルスケアプログラムを提供する米国企業。具体的なサービス内容は、出産を例に取ると初回のバーチャル相談、出産前検診、妊娠の中期・後期・出産時のケアやプランの提案、産後サポートを行う。
11日、シリーズC資金調達ラウンドで5500万ドル(約81億円)を確保。ヘルスケアに特化したPEファンドのHealthQuest Capitalが主導した。資金は、事業規模の拡大やデジタルプラットフォームの強化などに利用する。
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参考文献
※1:Noxilizer
※2:Noxilizer Expands Access to Commercial-Scale Nitrogen Dioxide Terminal Sterilization Capacity with $30 Million in Growth Capital Led by NewVale Capital(Noxilizerのプレスリリース)
※3:アメリカ環境保護庁、エチレンオキシドから国民の健康を守るための新たな対策案を提示(一般財団法人環境イノベーション情報機構)
※4:Meela
※5:Meela Launches Personalized AI Companion to Combat Loneliness Epidemic Among Seniors(Meelaのプレスリリース)
※6:Diana Health
※7:Diana Health Raises $55 Million Series C to Transform Women's Health in Partnership with Hospitals and Appoints Dr. Neel Shah to its Board of Directors(Diana Healthのプレスリリース)
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