植物・穀物由来の人工皮革をつくるUncaged Innovationsとは?Hyundai、Jaguar Land Roverと協業へ

植物・穀物由来の人工皮革をつくるUncaged Innovationsを取り上げる。自動車のシートが写り、自動車向けの開発も行うUncaged Innovationsを取り上げる記事と分かる画像

他の素材と同様、アパレル業界などが使う繊維、皮革も、リサイクル素材の活用や環境に優しい素材の導入が進んでいる。培養肉と同様に人工的な皮革をつくる、食物の食べられない部分を利用する、などといった環境負荷をかけない方法が模索されている。

米国のUncaged Innovationsも、その中の1社だ。同社は、いわゆる人工皮革を開発、製造する。しかし、従来のような石油化学製品としての人工皮革ではなく、植物由来のものとなっている。

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ウェブサイトでの説明によると、プロダクト「Elevate」は3層構造。最も下層に植物由来生地(厚さ0.3〜0.5ミリメートル)があり、中層は穀物由来の「グレインベースコア」(同0.4〜0.8ミリメートル)、最も上はコーティング部だ。コーティング部は「Bio」と明記されていることから生物由来の工程でつくられたものと見られ、厚さは0.01ミリメートルとなっている。

Uncaged Innovationsを取り上げるTechCrunch(TC)の記事によると、プロダクトはビーガン対応の時計やハンドバックに使われているのとともに、今後、Hyundai、Jaguar Land Roverといった自動車OEMとも協業を進めていくことが決まっている。

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同じくTCの記事によると、自動車のインテリアにはメーカーのクオリティへの要求によって2〜14枚の牛皮を使うという。なぜかというと、生体の牛が虫刺されや有刺鉄線フェンスとの接触により、皮が傷ついてしまうためだ。

一方、Elevateは「数日間で2000メートルのロールを生産」可能だとしている。また、具体額は示されていないものの、価格面で従来の皮革製品とも競争可能だと主張する。

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動物由来の繊維、革製品は、愛護の点だけでなく牛のメタン排出量、あるいは、食用のたんぱく質の不足が世界的に予測されているのにそれを装飾に使うのか、などさまざまな観点から問題提起がなされている。今後も、ユニークなアパレル素材の誕生が、期待される。