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Schröder氏のVCはMGVという名称で、SaaS分野に投資している。
寄稿文の要旨を見ていきたい。
記事は、まとめ(正確には「最後に」という見出し)以外は、3つの見出しで構成。それぞれ、「人間関係がすべて」「フィルターを獲得し、ハスラー精神を維持する」「必要になる前にブランドを構築する」となっている。
最初の「人間関係がすべて」は、ベンチャー投資の世界は取引ではなく信頼で成り立っている、という点がとりわけSchröder氏の言いたいことだと受け止められる。この点は、VCだけでなく起業家、経営者、メンバーなど、さまざまな人が共感できるところではないだろうか。
また、「最高の投資家はスタートアップではなく創業者に投資する。そして、その力学はLPにも当てはまる」と付け加える。
次の「フィルターを獲得し、ハスラー精神を維持する」について。この見出しの冒頭で、できるだけ多くの人と会う、クレイジーだと思うアイデアにも耳を傾ける、顧客や大学教授など少しでもヒントになりそうな人から話を聞き掘り下げる、と書かれている。
こちらは、VCという観点だけでなくオープンイノベーション全体についてもいえそうなことだ。
ベンチャーキャピタリストは、投資先の厳選を最初からできるわけではなく、このようなプロセスの繰り返しにより見る目が養われる、といった趣旨をSchröder氏は述べる。さらに、「このスキルは、経験を積むことでしか身につかない」ともいう。
最後、「必要になる前にブランドを構築する」。VCはブランディングを早めに行うべし、ブランドを必要とした頃にはチャンスを逃している、という警告だ。また、たとえブランディングが間違っていても、いつでも方向転換できるとも述べる。
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この点は、VCならではの箴言、感覚と受け止められる。事業の内容にもよるが、事業会社側にとってはブランディングより優先順位が高くなるケースもあるだろう。
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なお、Schröder氏の寄稿を取り上げたのは、VCに属する人々に目を留めていただきたいだけではない。起業家、経営者もVCの考え方に触れることで、何らかの共感を生み出し、新たな共創につながれば、ステークホルダー各々にとっての幸せを築けるのではないかと考える。