米巡回控訴裁、手数料問題でのAppleの差し止め請求を却下|Epic Games創業者は「『Apple税』の悪夢が終結」とコメント

Appleが米連邦地裁の判決に対して差し止めを請求していたことに対し、巡回控訴裁は却下。ゲーム「Fortnite」のスタート画面が写り、AppleとEpic Gamesの手数料問題について取り上げる記事と分かるアイキャッチ画像

APHORMEでは5月21日に報じたApp Storeでの手数料問題に、動きがあった。

Appleは、カリフォルニア連邦地裁が4月30日に下した、アプリ内課金を迂回してはならないとのApp Storeのガイドラインを禁じる判決に対し、差し止めを請求していた。しかし、米連邦第9巡回区控訴裁は4日、この請求を却下した。

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控訴裁は判断の理由として、「(Appleに対し)状況が裁判所の裁量権行使を正当化することを証明する必要がある」「関連要因を検討した結果、差し止め命令の執行停止が適切であるとは確信できない」と命令書に記している。

この問題は、世界で5億人を超えるユーザーを抱えるゲーム「Fortnite」の制作元であるEpic Gamesが、アプリ外でも課金できる仕組みを構築したことに端を発する。Epic Games側は、Appleがデベロッパーに課す30パーセントの手数料が高過ぎるとして、こうした仕組みをつくったと説明する。

そしてAppleは、Epic Gamesの行動はガイドライン違反だとして、FortniteをApp Storeから削除した。

2021年には訴訟に発展し、連邦地裁はEpic Gamesの訴えの一部を退けつつも、Appleによる外部決済誘導の禁止は止めるよう命令を下した。しかし、この判決は守られていないとEpic Gamesが主張し、今年4月にさらなる判決が出、5月にFortniteのApp Storeでの頒布が再開したという経緯となっている。

この訴訟はFortnite以外にも影響を与え、APHORMEでも報じたようにSpotifyがオーディオブックでの課金を再開した。

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Appleは請求の却下について、「地裁の命令を差し止めないという決定には失望しており、控訴手続きにおいても引き続き主張していく」との声明を発している。

一方、Epic GamesのTim Sweeney創業者兼CEOは、SNSのX上で「『Apple税』の長きにわたる国家的悪夢は終結した」とコメントした。


参考文献:
Court denies Apple appeal in Epic Games case, keeping App Store changes in place(CNBC)
Court denies Apple’s request to pause ruling on App Store payment fees(TechCrunch)